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元ネタ「玄象の琵琶が鬼に取られる話」より、その楽器は意思を持ち琵琶を抱えていた

時事・その他
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珍しく犯罪は…、多分無いと思います、最後ちょっと怪しいけど無いはず、犯罪に結びつきすぎて平和な物を書きたくなったんです、平和が一番です。

玄象(琵琶):女の子

源の博雅:リペアマンの男

村上天皇:母親

村上天皇の出番は・・・、ほぼ無いですね、最初に作ったプロットと又かけ離れたら母親の出番が最後だけだった、なんでだろうなぁ、おかしいなぁ、手元の紙と内容が全く違う、はてな。

元ネタは「今昔物語」、勝手に解釈!今で考えて見たらこうなりました。



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玄象の琵琶が鬼に取られる話より

その楽器は意思を持ち琵琶を抱えていた

「今日は帰らせて頂きます、お疲れ様でした。」
男は大きな家の玄関から出ようとしていた、その家は建物も大きいが何より庭が広かった、隣の家まで距離があるのでよほどの音を出さない限り騒音とはならない、そんな距離があるのに建物自体もしっかりした防音設備を付けていた。
なぜこんなに厳重に音に厳しくしているのか?建物の主の職業にある、主は女性で世間では歌姫と称されていた。
彼女は歌だけでなく楽器もこなす為、家での練習も必須となりスタジオ設備が整えてある、気分では部屋でも庭でも歌ったり奏でたりする為広い敷地を必要としていたのだ。
もちろん都心にそんな広い土地は残っていないので多少の不便はしかたなし、と少しだけ離れた場所に家を建てたのだが広さ、設備、セキュリティ、どれをとっても主が高額納税者であることは隠しようがないことだった。

男は職業としてリペアマンをしており、楽器全般を補修としていた、主の家にはピアノから弦楽器、木管楽器、金管楽器、打楽器と多数取り揃えておりほぼ毎日の様にメンテナンスの為に通っていた、修理がある時などは遅くまで残ってやりたい時があるのだが、この職場はほぼ残業が許されなかった、早く出れば早出が出たし休日に出ても休日手当、又は振替が貰えた。
男をある時間より家にいて欲しくない、そんな思いをうっすら感じていたが主もお手伝いさんも物腰が柔らかでありながら時間に対して「なぜ」と聞けない空気を持っていた。
別に残業が好きなわけでもないし、秘密が知りたいわけでもない、秘密と言うのは知った時からリスクが伴うものなのだから。

「別にどうしようもなければ書類は必要だけど持ち出し出来るしな、大物でなかればそう焦らないし、家用だから時間かけても怒られないし。」

男にとっては天国のような職場なので気にしていなかった、秘密より生活の方が大事なのである、たまに入る臨時のリペアは時間もせかされ料金も値切ってこようとする事が多い為、ストレスゲージの溜まりが早い、ストレスも少なく支払いも良い上顧客の秘密なんて知って契約を切られたら破滅しか見えてこない。

だが一つだけ気になることがあった、お手伝いさんの立ち話から聞こえてきた【この家の最高級様の調子が…】の内容だ、最高級楽器があるとしてそれは補修しなくていいのか?見せれないのか?楽器の事に関してはちょこっとだけ気になっていた、何かわからないとイザって時に道具も知識も違ってくるからだ、指先のほんのわずかな力加減で音色の変わる楽器達には愛情を持っている男であった。

「そうだな、もし不満があるとした電車バスだと往復3時間かかることかな、車買うかな~。」

そんな平和な悩みを考えいるある日、家の中がバタバタと騒がしくなった、集中が途切れるので勘弁してほしい。

3人いるお手伝いさんが3人とも走り回っている状態である、さほど騒がしい雰囲気のイメージのない家だった為、男は不思議に思った、何かトラブルなら手を貸せるなら手を貸そうと立ち上がった所でお手伝いさんの中で一番年配の女性が部屋に入って来た。

「お騒がせしております、私共がいいと言うまで部屋から出られませんようお願い申し上げます、余計な詮索もされないこともお勧めします。」

深く一礼をされ、

「はぁ、でも手伝えることがあったら気楽に声かけてください。」

きっと声はかけられないだろうが気持ちは見せておこうと返事をしてみたのだが。

「ご心配なく、お手を煩わせることはないでしょう。」

すっと女性は頭を上げ丁寧ではあるが率直に申し出を断った。

男は不思議ではあったが藪を突いてこの契約を無くすのは嫌だと思い、そのまま作業台の椅子に座り直した。

その日は帰るまでそれとなくせわしない雰囲気のままであった。

翌日男は作業台の前でトランペットを解体し掃除しつつ微調整を行っていた、集中していたのだが何かに気づきふっと顔を上げた。

「歌声?これは見事だな、主殿はお出かけのはずだが、誰だ?」

男は若い女性の歌声を耳にしたのだ、その音程、リズム、情緒、一流中の一流と言わざる追えない、だがこれ程の実力の持ち主ならどこかで賞をとってそうだ、スマホを取り出し最近の歌に関するコンクールの情報を見てみたが直近ではそれらしきコンクールの開催は見受けられなかった。

「残念、主殿が弟子をとったのかな?」

手を止め窓を開け放ち歌声に耳を澄ませているとお手伝いさんの一人が部屋へやってきた。

おもむろに、だが何やら必死の目をしていた。

「申し訳ありません、直ちに窓を閉め今聞こえている物はお忘れ下さい、もしこの家で初めて見る誰かを見ても忘れて下さい。」

それだけ言うともう用はないと言うばかりにさっと部屋を出た。



「言われた通りにはするけどさ、何だか気味が悪いな。」

男は正直な感想が思わす口からこぼれたが、契約者様の言う事は絶対!と又調整へと集中することにした。

現在男は集中できなかった、耳に残った歌声が離れず到底忘れることが出来なかったからだ、「音の道を踏み入れた物が容易に忘れることは出来ない歌声だった。」と心の中で言い訳するが歌っているのは誰だと聞ける様子ではないので疑問ばかりが頭の中に溢れて来る。

ため息をつきつつもなんとか仕事を続けていたのだがなにか視線を感じる、顔を上げ窓を見るとそこには中学生くらいの女の子が中をのぞいていた、Tシャツにジーンズ、ラフな格好だが物は良さそうな感じだ、俺が来ている服よりかは高そうだ。

「(ハジメテミルダレカヲミテモワスレテクダサイ、だっけ?だが様子が…)」

男は意を決して窓を開けることにした、見ないふりをするには女の子の目がギラギラしており、窓を叩くわけでもないのに困った様子だったからだ。

「お嬢さん、こんにちは。」

取りあえず挨拶を試みた、自分ではまだ若いつもりだがこの女の子はどう見ても中学生くらい、下手したら小学生かもれしない、怖がらせないように、と思ったのだが。

「おじさんこんにちは、ねえ、何か食べる物ない?」

おじさん、の言葉に多少はショックを受けたが何とか押し隠し、体をずらし部屋へ入るよう促した、もちろん窓は開けたままで、連れ込んだと思われるのも怖いのでドアも開けようとしたのだが。

「やめて!逃げてるんだから!バレるでしょ!!」

押し殺した声で慌てて腕を引かれた、最近家の中が騒がしいのはこの子かな?と思いつつ取りあえず置かれているソファに座ってもらうことにした。

「とりあえずそこに座って、それで食べ物だっけ。」

鞄より疲れた時に食べるために日頃から入れてある甘い系のお菓子を出した、女の子の目がキラキラしたのでこれで正解の様である。

「はい、どうぞ。」

女の子は嬉しそうに封を開けかぶりついた、チョコクッキーは定番である、ほぼほぼ甘いものが好きな人には受け入れらるお菓子である。

お茶、と思ったが逃げている子が足が付くのもかわいそうだと思い直し自分用の水のペットボトルを渡した。

「これ未開封だからあげるよ。」

女の子は嬉しそうに受け取った、急いで飲み込みお礼を言うあたり育ちは良さそうである、俺だったら口に物が入っているのを理由に会釈で終わらせるだろうな、と女の子をよく観察することにした。

髪は少しボサボサだが日頃から手入れをしている感じではある、来ている物もさっき思った通りブランド物だ、食べ方も綺麗なとこを見ると良い処のお嬢さんと思わざるおれない、だが肝心のどこの誰なのか?ここには主殿が一人で住んでいるはずだからだ。
だが昨日からの家の様子から見てなんとなくこの子が原因なのでは?と思った、まずは食べ終わるのを待つことにした。

クッキーをひと箱食べ終わり女の子はお礼を言ってきた。

「おじさんありがとう、昨日から何も食べてなくってひもじかったの。」

様子は照れくさそうである。

「どういたしまして、君はこの家の…、えっと、関係者?でいいのかな?」

あまり踏み込んで後戻り出来なくなるのが怖くなったのか男は少し遠回しな質問をした、一目見た時から思っていることはあったのだが口に出すをやめた。

「うん、そう。」

女の子も困ったような顔をして短く返事を返した。

「僕は見なかったことにしないといけない事になっているので忘れるけど、ほどほどにね?」

女の子は驚いた顔をしたが、どこか安堵感も漂わせていた。

「ありがとう御座います、あの、その机の上の楽器のパーツですよね?何をしているのですか?」

女の子の目は期待した目で俺の後ろに机を凝視している。

「楽器のメンテナンスや調整をしてるんだよ、それが僕の仕事だから。」

だから怪しくないよ~、と女の子を見ると目がキラキラと…。

「(汚れた大人でごめんなさい、眩しいデス。)」

男は思わず目をそらした、だが女の子は気にせず質問を投げかけてきた。

「どんな楽器でも直せる?」

期待に満ちたような、すがるような、そんな目で見られ男は少し戸惑った。

「どんな、までは言ってあげられないけど色々直せるよ、何が壊れたの?」

男はこの女の子が何を言い出すのかと困惑した、この子は自分がリペアマンとしてこの家の主と契約していることを知らないのだ、一体この子は?と疑問ばかりが浮かんでいく。

「あのね、マ…、この家の人が買った琵琶を壊してしまったの、怒られると思って隠して今逃げてるの、そのせいでご飯も食べれなくて、お願い直してください!」

なんとまぁ、先日オークションで買った琵琶がどうとかそう言えば言ってたな、調整は必須だと思ってたからある程度は調べてたけど完全に壊れたとなるとちょっと手に余るぞ?

「まずその琵琶を見せてくれるかな?話はそれからだな。」

男は優しく女の子に言った、物腰の柔らかさに女の子も安心したのか肩の力が少し抜けたようである。

「じゃぁ・・・」

コンコン、ノックの音がした、女の子に気持ちが集中していたので思わずビクッと体が反応する、これはどうしたものか、思案する男に女の子は小声で話しかけてきた。

「おじさん、又夜に来るから!」

そう言うと颯爽と窓から飛び出して行った、1階で良かった。

「はい、なんでしょうか?」

お手伝いさんの一人が難しい顔で立っていた。

「話し声が聞こえましたがどなたかお見えなのでしょうか?」

グイグイと中に入って来て見渡す、だが誰も居ないので訝し気な顔でこちらを向いた。

「すいません、ちょっとした微調整がうまくいかなくて窓を開けて少し愚痴ってました、本日はお時間を頂いて宜しいでしょうか?この1本は今日中に仕上げてしまいたいのです、今後のスケジュールが狂いますので。」

夜に来ると言った女の子の為になんとか残業を勝ち取りたい、咄嗟についた嘘だがお手伝いさんは机の上のばらばらの部品を見てひとり納得してくれたのか快く返事をくれた。

「承知いたしました、あまり遅くなるようでしたらお泊りになられるかどうかだけ教えてください、それでは失礼致します。」

この家の主は音楽家なので自然と音楽に造詣のある人間が集まっていたので通用しないかもしれないとドキドキした男だったが嘘が通じたようである、思わず深く息が出た。

「ありがとう御座います、最近少しペースが落ちていたので焦ってました。」

お手伝いさんは部屋を出ようとして振り返った。

「現在少し取り込んでますのでお部屋から出られませんようお願い致します。」

「承知しました。」

今度はお手伝いさんが何を言っているのかわかる、出そうになった動揺を抑え込みなんとか返事をした。

さて、琵琶が取り込んでる問題なのか女の子が問題なのか?考えるに先日聞こえた【最上級様】、とはきっと彼女の事だろう、見事な歌声だった、最上級とはまさに彼女の歌声の事だろう。

もう一つ気になるのは女の子がいいかけた「マ…」である、どうも一つの言葉しか浮かばない、「ママ」である、だが主殿は独身、海外に行っていた時期があると聞いたことがあるので無いとは言い切れない。

「だめだめ、この問題は絶対に足を踏み入れてはいけない、マジで巻き込まれたら俺一人ぐらいで余裕で消されるわ!あながち嘘でもない遅れ気味の仕事でもするか!」

男は頭を振り考えることを止めた、楽器である琵琶は気になるが女の子の素性は絶対に知りたくない、だがもう知ってしまっている気がして落ち着かない男であった。

夕飯を出してもらい一服してから、嘘ではなく本当に仕事に取り掛かった、女の子がくるなら又窓からだろう、それまでは本当に仕事を薦めなければ…。

幾何か仕事を薦めたくらいで窓が叩かれた。

コンコン、控えめな周りを気にする音に聞こえる、一応用心してるようだ。

「こんばんは。」

小声で窓を開けながら挨拶をする。

「よかった、残っててくれたんだ、はい、おじさんの靴。」

いきなり靴を手渡された、確かに自分の靴であると男は少し驚いた。

「よくわかったね、靴箱わざわざあけたってことでしょ?」

ここはお手伝いさんがすぐに靴箱にしまってくれるので女の子は自分の靴を見たことが無いはずなのに、と男は驚いた。

「わかるよー、この家には男の人はおじさんしかいないから一番大きな靴持ってきた。」

なるほど、道理であると男は頷いた。

「靴を持ってきたってことは琵琶は外にあるの?湿気は!?」

男は思わず琵琶の状態が気になった、琵琶の修理は本職ではないが一応は調べてある、それでなくても木材の楽器は湿気で形も音も変わる。

「ううん、家の中だけど、家の中歩いたら見つかっちゃうでしょ!だから外から入るのに持ってきたの!!」

女の子はかわいくプンスカと怒っている、やはりこの家の子なんだな、楽器を知っている人間側だと男は考え直した。

「わかった、とにかく琵琶の状態を見に行こう。」

男は窓に腰掛け靴を履き外に出た、つくづく自分の作業場が1階で良かったと思った、2階は主殿のプライベートなフロアーなので立ち入り禁止なのだ。

男は女の子の後ろについて歩いた、女の子は何度も後ろを振り向き本当に付いて来ているか確認をとるので相当不安なようである。

「あのね、この木を登った部屋の中にあるの、おじさん登れる?」

そこそこ太い木がそこに生えていた、庭に興味が無く歩いたことも無かったので始めて来る場所であったがこんなに家と気が密接してていいのか?と単純に疑問に思う程近かった。

「この木は私が生まれた時に植えたらしくて私の木なんだ。」

少し嬉しそうに説明している女の子はさっさと木に手をかけ登って行った、男は木登りなど小学生の頃以来だし、登ったのだって従妹のお兄さん監修の元で安全に登った記憶しかない、だが登るしかなさそうだと腹を括った。

優に女の子の5倍の時間はかかったであろう、手も肩も足もガタガタでパンパンである、帰りはこっそり人目を忍んで階段で降りよう、男は心に固く誓った。

女の子が通してくれた部屋は使わなくなった楽器を置いている部屋のようである、2年前直した記憶のある楽器があるが最近まったく見なくなった物たちだったからだ。

女の子は大きなチェロケースを開けて琵琶を出してきた。

「(中のチェロは!?)」

「これね、ビロンビロンってなっちゃって。」

女の子の手の中の琵琶は弦が切れていてそれ以外の破損は見えなかった。

「ちゃんと見てみないとわからないけど弦が切れてるだけに見えるね、この琵琶は元々オークションで落としたばかりでメンテナンスする予定だったんだ、弦だけ直しておくからちゃんと返すんだ、でないと僕のところにメンテナンスに出してもらえないからね。」

女の子の頭を撫でながら男は琵琶が無事でほっとして深く息が出た。

「おじさん、それセクハラ。」

女の子は男の手を払い顔を赤くした、どうやら照れているようである。

「弦も正直に言う、元々調子が良くなかったってわかったし、ちょっと弾いてみたらなんか変な音して壊したのかとびびっただけだし、そしたらなんかビヨンビヨンしてるし…、ちょと、ちょこっとだけびびっただけだもん。」

どうやら大したことないと理解した女の子は正直に言う気になったらしい、男は安心して手を引っ込めた。

「ママは明日帰ってくるから…、あっ。」

慌てて片手で口を押えた、女の子も自分は何者か言ってはいけないと言われているようである、男は顔を両手で多い思わず声が出た。

「言っちゃったよ、聞いちゃったよ。」

なんとなくわかってはいたが決定打の言葉を聞かなければ誤魔化せると思っていたので男は内心相当焦っていた。

「ごめーーん、でもおじ…、おにいさんもこの家の関係者なんでしょ?外で言わなければいいだけだよー!」

引きつった顔で言われても説得力は皆無である、男は契約を切られる覚悟が必要かもなぁ、美味しい仕事場だったんだけどなぁ、ともう切られる気満々である。

「注意はされてたのに話に乗った僕も同罪だし、もういいよ、いきなりお兄さんなんて言う程君も不味さはわかってるってことでしょ?」

女の子は俯いて気まずそうにした、自分が何者であるか、大人の都合で秘せられているのも理解してる、この家では時間さえ守ればなんでも許されたので甘やかされていた日頃が用心深さを忘れさせたようだ。

「ごめんなさい、楽器が触れて歌が歌えれば私は満足で、自分の事を知った人の事考えてなかった、本当にごめんなさい。」

深く頭を下げた、ちゃんと謝られる良い子である、それでも大事そうに抱えてる琵琶に男は目を落とし、子供のせいにするのは嫌だよなっと思った。

「大丈夫、これでも腕の良いリペアマンのつもりだよ、僕は大丈夫だから、その琵琶をよろしくね、いつか君の事をテレビで見れる日を待っているよ。」

正直開き直った、自分は楽器さえ無事ならそれでいい、あの子の歌声もきっとこれから響いていくだろう、結局楽器が好きで音楽が好きなんだ、それでいい。

「何よ、かっこつけちゃって、ちっともかっこ良くないよ、おじさん!」

女の子は男の腕に手を回し嬉しそうに見上げてきた、信用したようである、自分の事も楽器の事も考えてくれた人、それだけで女の子はこの人は味方だ!と思ったのだった。

二人は堂々と2階から靴を手に階段を下りた、案の定お手伝いさんに見つかり女の子は部屋へ強制送還、俺は荷物を持って出て行けと怒鳴られた。

ちょっと遠いけど美味しい職場だった、それだけ、他の職場より豊富な種類の楽器が触れた、本当に勉強になった、がんばってそう思う事にした。

「あ~~、明日から職探しか、暫くは日雇いだな、どっか契約するしかないよなー、やだやだ。」

帰り道、どうせ誰も居ないと思って少し大きな声で愚痴った、修理の会社だとノルマとか期限とか厳しいからな、会社によっては苦情も対応してくれない、ため息が出るばかりである。

翌日、昨日の件で話があると電話が来た、それも主殿直々に、戦々恐々と赴くとなんと契約続行の話だった。

「いいんですか?約束を破って秘密を知ってしまったわけですが。」

向こうの言い分は翌日になっても秘密が漏れていない事、楽器への思いから行動した事、娘が気に入っていること、許さなければ二度と歌わないと言っていること、何より腕を買っていること、等だった、男は嬉しくて少し涙が滲んだが次の言葉に度肝を抜かれた。

「娘があなたの事気にったみたいだから娘の将来の楽器も宜しくね、ついでに娘も宜しくね。」

すいません、俺ロリコンじゃありません、と思わず言いかけたが言葉は出ずに白目だけが出た。

「あの後の記憶がないんだけど俺どうなっちゃったの?」

引っ越してくるよに言われた部屋の中でそっと自分を抱きしめるしかなかった。



その後①
娘「あのお兄さん首にしたら絶対許さないんだから!」
母「しないわよ~、あの修理マンの腕は一流、他で働けないように潰しまくって睨み利かせてるからうち出てったら路頭に迷うし。」
娘「…こわっ。」
お手伝いさん「やばっ…。」

その後②
母「勝手に首とか言わないでくれる?あのリペアマン手に入れるのにどれだけのコネとお金を使ったと思ってるの?」
お手伝いさん「申し訳ありません。」
母「娘も気に入ったみたいだし、今までは出せなかったけどそろそろ外に出そうかしらね。」
お手伝いさん「おやめください、今まで出てなかったので外の人間が来ると真っ青になって怯えてしまわれてるんです、お嬢様ともっと話してからが良いかと。」
母「え?そうなの?対人恐怖症?うっそ、知らなかったわ~、じゃぁ散歩から始めましょうか、いいボディーガードも手に入ったし♪」
お手伝いさん「(ですからお嬢様とお話を…、あぁ、お嬢様頑張ってください。)」

記憶の無い部分で起きた事

母「娘~、話はついたわよ!首にしないしこれからここで暮らしてもらうし、婿にも来てもらうから!」
娘「婿!?なんでそうなったの!?すっごく歳はなれてるんでしょ?おじさんも何か言ってよ!」
男「…(白目)」
母「大丈夫よ、離れてるって言ってもたった13よ、私とあなたの父親なんて28も離れてたんだから~」
娘「マジか、きもっ!」
母「ひどい!ちゃんと愛し合ってました~~!」
娘「父親って誰よ!」
母「ナイショ~~~、あんたも何回もテレビやネットで見てるし聞いてるわよ、安心してちゃんと独身男性だから!」
娘「ママの歳に28足すと…。」
母「ストーップ!色々事情があって結婚出来ないんだから詮索しちゃだめよ~~。」

その後③

娘「ママが結婚できなかった事情てなんだろう?」
お手伝いさん「それは…。」
娘「知ってる?教えて!」
お手伝いさん「口止めはされてないので…、なんでも自由が無くなるのが嫌だ、騒がれてセットにされるのが嫌だ、とおっしゃられてました。」
娘「ママらしい。」
お手伝いさん「お嬢様はどうされるのですか?」
娘「ちゃんと籍入れるよ!私は家族に反対されないなら別に誰でもいいかなーーって、歌えればそれで!」
お手伝いさん「お嬢様、お顔が真っ赤ですよ、首にならなくて良かったですね。」
娘「!!!!!」

 

感想

楽器が意思を持つ、付喪神振興のある日本ではお話として残っててもおかしくないですよね、ですが!現在において楽器が話したの見た事ないですし、楽器の意思で音が出ないと言うのも聞いたこと無い、なのでそれを踏まえて考えると琵琶は村上天皇の表に出せない身内、鬼は表に出せない身内を担ぎ出したい貴族たち?と思いました、それを濁して未来へと怒った事を残そうとしたらオカルトは隠れ蓑として優秀ですよね!なんて妄想したのが始まりです、歌姫の母親も娘もモデルはいませんので安心して下さい。

以前に金管楽器の修理の会社を取材したテレビを見て、「無理!自分には無理!こんな器用で感覚的な事無理!」と思ったのを思い出しました、今は音を調節するのに必要な道具がありますが昔は自分の耳だけが頼りだったけですよね、修理の人が残した音楽の逸話がなにのは何故なのか?そっちも不思議に思いました、修理だけじゃなく音楽の実力もなければできなかったんじゃないかなーっと、なのでこのお話の男はある程度音楽に総計が深い設定です、私の願望です!将来娘と男とその子供たちが楽しく音楽を奏でてくれるといいなーーと思っております。

楽器の修理道具も調べたら物凄い量が出て来て、作中にちょっと出したいなと思いましたが説明だけで文章が無駄に延びそうだったのでやめました、先人の知恵や現在の技術、掛け合わされててなかなか興味深いです、ピアノ一つとっても凄い!それに他の楽器もとか主人公の男の家って?作業場の工具置き場って?!と思いましたがこれは短文、そこまでは!!!!!!と諦めました、にわか知識で書いても詳しい人にはつまらないでしょうしね…、でも興味ある方は調べてみて下さい、凄いです。

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私は見てるだけで楽しかったです(≧▽≦)ノ。

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