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藤原の明衝(あきひら):男
宮仕えの女房:婚約者
家来筋の下人:男の妹の夫
家来筋の下人の妻:男の妹
元ネタは「今昔物語」、勝手に解釈!今で考えて見たらこうなりました。
2024年スーパームーンはいつ?月の出と月の入の時刻はこちら!
便利!「ミルクとけだすティーバック」あったらいいながありました!
危うく密男(みそおか)とまちがわれる話より
踏んだり蹴ったりを経験した男
婚約をした、長期出向を命じられた、支店の立て直しだそうだ。
上司に婚約を報告した翌月の話だ、何故だ。
上司曰く、
「残念だったなぁ!婚約ほやほやだったのに、まぁこれも試練の1個だと思ってがんばってよ、本物の婚約者ならきっと待っててくれるさ。」
そのニヤニヤ顔に1発いれたらなんで俺が犯罪者になるのかまったもって不思議である。
だが辞令が出た以上は仕方がない、期間もがんばれば半年くらいと言われてるし、県を2個跨いだ位なら車でも電車でもがんばれば会える、問題は俺が土日休みで、彼女が火金休みってことだ。
つまり昼間には会えない仕事終わりに車をレンタルして顔見て食事してとんぼ返りだ。
それを繰り返すと体から疲れが取れない、彼女も心配して戻ってくるのだから今は待ちましょうと言われてしまった、彼女の仕事が終わる時間は遅いからしかたないか…、休日は家の手伝いしてるとか言ってたし。
絶対出世してやる、上司より上に行って仕返しを…!いや同じ土俵もどうなんだかな。
そんなことを考えながら日常を過ごしていた。
「おーい、〇〇君、□☆商事さんへ行ってくれないか?詳しく商品説明が欲しいらしんだ、ターゲットは……、コンセプトが……、ってことらしんだ。」
「承知致しました、ではこれからアポ取りして資料作りをします。」
「頼む、□☆商事さんは隣県だから遅くなるようだったらホテル取っちゃって、うちはホワイトだからな!、あ、でも安く頼むよ。」
ホワイトだったら婚約したての人間を長期出向で引きはがさないだろう、と喉まで出かかったが飲み込んだ、俺、社会人、部長、上司、多分、理性理性。
いかん、思考がカタコトだ。
すぐに電話をしアポを取った、明後日の金曜日だったので資料作りの余裕も少しある、助かるな。
「あ!隣県は!」
思わず口に出た、隣の席の部下がビクビクと俺を見る、本社から来たからって鬼でも閻魔でもないんだが、この部下はすぐに怯えたそぶりを見せる、性格かな。
「すまんすまん、隣県には妹がいるから、遅くなるようだったら泊めてもらえるなって思ってさ。」
なんで説明してるんだ俺、だが部下は「なるほどっ。」という顔をして頷き、目線をパソコンに戻した。
金曜なら彼女も休みだ、会えないか連絡してみよう、丁度間の県なのはもしかして?と思ったがホワイトだから!ばかり言う部長がそんな気を回して????ないな、そんな気が回るなら立て直しで俺があの支店に呼ばれるはずがない。
金曜になり俺は6時に家を出た、社用車で行ければいいのだが2台しかない車は部長と課長が大体使ってて、他には回ってこない、足回りの悪さもダメな部分だよな、報告書に乗せておくか。
決してムカついたからじゃない、眠いのに電車で座れなかったからムカついたわけじゃない、ちゃんとした意見、意見だよな?
相手先に時間通りに到着し、商談の為にプレゼンをした、最初から商品に興味があったようで受け入れ態勢があった為かスムーズに進んだ。
「わかりやすくて良かったよ、この前来てくれた人は何を聞いてもビクビクしてて、なんだか小動物を相手にしているみたいでねぇ、何言ってるのかも良くわからなく困ってたんだよ。」
ピンポイントで一人の男の顔が頭に浮かぶ、
部下~~~~、お前の尻拭いだったのかぁぁぁぁぁ、出向引き上げるまでに鍛え直してやる!!
「それはご迷惑をお掛け致しました、彼は自分が責任をもって鍛えておきますので、いつか生まれ変わった彼をお楽しみにして下さい。」
でもきっちり90度頭を下げてきた、あの部下を俺に付けないで一人で行かせたってことは部長は俺に丸投げして終わりにする気だったんだろうな、これもレポートに乗せておこう、覚えてろ部長、ひと月に1回の報告書はお前の断罪書になろうだろう、ふっふっふっ。
この後もしっかり話をし、追加の質問にも答え気持ちよく握手が出来た、後はちょこちょこ顔出しして様子見だな。
案の定終わったのは17:30近かった、相手の会社も自分の就業時間ギリギリまで説明を聞いてきたって事だ、いい掴みだな。
会社へ終わったことを連絡し、これから戻ると遅くなるので身内の家に泊まることを言うと、案の定部長が、
「いいね!もちろんタダだろう?」
出せや手土産代、とも思うがお菓子よりお金包んだ方が喜ぶ奴なのでそれはさすがにね、領収書が出ないし無理だからいい事にした。
久し振りに妹の家に行くともう彼女は着いていた、俺の到着が19時を少し回った所だったので一緒に食事をとることもできた、妹と彼女で作ってくれたらしい、美味し。
客間に布団を引いて彼女と眠った、と言っても別の布団だけどね。
ふすまが開く音がして目が覚めた、何か重いし騒がしい気がする、まだ脳みそが起きてないのか情報を情報として解析できない。
とにかく目を開けて顔を上に向けた。
「誰だお前は!なんでここで寝ている!いつからなんだ!!!!」
そんなことを叫んでいたと思う、だが知っている顔だ。
「△△君、どうしたの。」
かなり力の入ってない間抜けな声だと思ったが、普通に質問してしまった、相手は目に涙を溜めて殴って来た、痛い。
△△君の背後の廊下の電気が眩しい、やめろ、とまれ、待て、など言った気がするがまったく手が緩まない。
「あなた!何やってるの!!」
その声でやっとやっと手が止まった。
「え…、あれ?義兄さん?」
やっと状況を判断してくれたらしい、義弟はボロ泣きの顔で呟いてやっと上からどいてくれた。
「△△君、正気になってくれて良かったよ。」
いってーーーーーーーーーーーー!絶対これ腫れる!鏡みたくねぇ!
「あなた!今朝兄さんが泊っていくって言ったでしょ!なんで殴ってるのよ!」
そうだ、言わないわけがない、殴られる程恨まれてたのか?
「あ……」
そのまま義弟は黙り込んだ、忘れてたんだ・・・、妹の目も吊り上がる。
「あなた!忘れてたのね?それならそれで言う事あるんじゃないの?」
妹は謝罪を促してくれてるんだろうけど、義弟は言い訳ばかりする。
「だって、家に知らない男が寝てたら疑うじゃないか、いや、知らなくないけど、顔見えなかったし、忘れてたんだからしょうがないし…。」
これはない、流石にない、こんな営業マンいたら会社の信用落とす。
「△△君、それ社会で通用する?警察読んで聞いてもらう?」
ここまで言ってやっと怒りが伝わったのか頭を下げた。
がばっと土下座をし、
「すみませんでした!」
思わず何がすみませんなのかレポート出せ!対策は!反省点は!と言いたくなったがこらえた、ここ会社じゃない。
妹も仁王立ちのままだった、妹よ、暫く離れてる間に母親そっくりな殺気を出すようになったな、気のせいか角がみえる、進化か何かなのか?
「あなたねぇ、いつも独りよがりな考えで感情で動くのやめてって言ってるでしょ、あぁ酒臭い、深夜まで飲んで、暴れて、妻の兄に暴力ふるってろくな謝罪も出来ないなんて、情けないにも程があるでしょう!」
あ、これ長い、母親はこれで夜明けまで正座+説教だった。
「妹よ、流石に夜遅くに揉めるのもなんだから明日にしないか?言いたいこともあるだろうけど、今は俺たちだけじゃなし。」
ちらっと彼女の方に目をやる、困り顔で布団掴んでて可愛かった。
「そうね、義姉さんごめんなんさい、ゆっくり寝て下さいね。」
妹は義弟の襟首を持って引きずって行った、逞しくなったな。
「ごめんね、こんなことになるなんて思わなかったよ、明日はお詫びになんでも奢るからさ、有給とってくれたお礼もあるし。」
「大丈夫よ、義弟さんが妹さんの事が大好きなのね、早とちりは良くないけどそれは妹さんも分かってるだろうし、忘れるわね。」
苦笑まじりで答えてくれた、優しい彼女で嬉しい、けど怒らせちゃいけない見本を見たばかりだから気を付けよう。
何か忘れてる気がするけど俺たちは疲れもあったので又すぐに寝入った、もう起こされませんように。
朝起きると義弟がボコボコな可哀想な顔で土下座していた、寝ずに説教は回避できなかったのか、俺も眠くて痛みに気が付かなかったのか腫れていた、嫌なお揃いだな。
「兄さん、冷やさなかったの?オトコマエになってるじゃん。」
妹よ、原因はなんだろうね?そして先に起きていた彼女に一瞬「誰?」と言う顔されたのは地味に傷ついた、まぁ腫れた顔を見慣れてる環境も困るけど。
翌日デートの途中である店の前を通った、彼女に寄っていいかと聞くと苦笑いでいいよと言ってくれた、寝てても災害はやってくる、そんな教訓の元に思わず保険見直しの店に入った、痛い目にあってから見直しのもどうかと思うけどさ。
つくづく義弟が凶器になる物を持ってなくて良かったと思う今日この頃である、やはり許すまじ上司、根本の原因はお前だ!
———-
その後①
部下「あの、本社から社員再教育プログラムが送られ来たんですが・・・。」
俺「そうか!がんばれよ!」
その後②
部長「やぁやぁ、やっぱ本社の人間が行くと話が早いね!前向きに検討したいと連絡があったよ。」
俺「そうですか、これからも週に1回は顔出ししたいと思います。」
部長「じゃぁ社用車が空いてたら使っていいから、本社から社用車の使用状況書類を出すように言われて気楽に使えなくなっちゃったよ、お気に入りの蕎麦屋結構遠いのに!」
俺「(蕎麦屋の為に俺は6時に家を出たのか!)……そうですか。」
その後③
本社人事部「お疲れ様です俺君、実は君が担当していた会社から苦情が続いてね、なぜ俺君から上司君に担当が変わったのか明確な理由を示せと言われてるんだよ、上司君は君が地方の支社に行きたがったから行かせたって言うんだけど本当?」
俺「言ってません、突然出向を言われました。」
本社人事「やっぱり、そこの部長と上司君同期でね、あまりに性質が悪いから引き離した過去があったんだけどいまだにこんな事してたのか。気が付かなくてすまないね、たっての希望と言われて信じてたよ。」
俺「婚約したばかりだったのでちょっと辛かったです。」
本社人事「え…、そうか、もうすこし頑張っててね、かならず戻すから。」
俺「ありがとう御座います。」
辞令
上司上司太郎 殿
上の物何年何月何日より、〇Θ支店への移動を命ずる。
以上
感想
今回は、義弟が主人公になるはずだったのですが、1行書き出したら違う人が主人公になってた、メモを書き出す意味てってあるのか?と思いますがないと書き出せない、物語って生きてるんだなってしみじみ思いました。
今時急な出張や出向、移動ってないかな?そんなことあったら本人に問題があるんじゃ?って思われるかなっと思いましたがあえてそこは書きませんでした、お助けスーパーマン扱いにしておこう、うんうん、兄はきっと優秀な人なんだよ!と自分に言い聞かせてました。
平安時代だったら突然決まっても家から離れている人に連絡をとることは難しいこと、だから下人の男が怒るのしょうがないかな、知らないんだから、あげくに「お前の妻が不倫してるぞ!」と密告してくる嫌な人もいたしね、焦ったのは女性の方だったろうな、偉い人に場所を貸してくれと言われて断れるわけがない(そういう時代)、夫が暴れ出した時は全身の血がサーーーとなったろうなと思いました、世の中の半分は誤解と勘違いで出来ている、誰かそんな事言ってた気がします。
設定がねーーーーー!知ってる人はきっと「はぁ!?」と思った事でしょう、明衝の特攻かます下人はじつは甲斐殿の雑色でと自己紹介してて、ぞの甲斐殿ってのは藤原の公業(ふじわらのきみなり)と言って主人公の明衝さんの弟さんなので関係者の立ち位置に疑問も持たれることでしょう、申し訳ない。
お話しでは下人が、特攻しようとしたものの、指貫(くくり袴、当時は良い衣服になります)が立てかけて有、よいお香の匂いがする、まずい!お偉方か!?とギリギリとどまるんですよね、物音で気が付かれてしまいますが、そして明衝が下賤な者の所に行くから危ない目にあうんだ、とか前世の因縁で卑しい下人でも高貴な身分の者だと気が付くことが出来たんだろうと、いやはや、今だったらそんなこと言ったら言った人の人格を疑われる世の中ですよね、生きる寿命があったから、明衝は死ぬ運命じゃないから生きられたんだ!とかもう、そんな野次馬の言葉までちゃんと文章に残ってることがビックリなのと生死が運の要素に割り振られている事に、現代に生きてて良かった、運の無い私ならきっと生まれて早々に死んでたな、と思わされました。
今回書き出したら楽しくなってノリノリで書いてました、一人語りの文章が好きなんだな、きっと!心の声をどんどん入れたくなりました( ̄▽ ̄;)。
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最後までお読みいただきありがとう御座いました。
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